華〜ハナ〜Ⅲ【完結】
乃亞の訪問
次の日城で会った嘉はいたって普通だった。
いつも通りに「侑希ちゃんおはよう。」とにこやかに挨拶を投げてよこした。
「…おはよう。」
「少し、元気ないみたいだね?寝不足?」
「…そんなとこ。」
昨日の夜は書く意味が分からない報告書をまとめていたから。
嘉の言動やマスターの不可解な行動が頭をチラついてなかなか書けなかった。
「…はあ………」
気にしたくはない。
気にならない、と思いたい。
なのに…――
やっぱり私はどうかしている。