華〜ハナ〜Ⅲ【完結】




「ふん……。今は月華じゃない、か…。」



言い訳がましいわね…我ながら。




「では“栗栖侑希”に忠告しておく。心して聞くんだな。」



何…?



「背後に気をつけ、お前がもともと“月華”として“栗栖侑希”に化けていることを忘れるな。それを忘れたときが終わりだ。」



終わり。


それはきっと“私”自身の終わり――つまり、死だ。




「月華を狙う奴なんて星の数ほどいるんだ。姿を消しても、変わらない。……情報屋には口止めしているがな。」

「情報屋……。」

「奴らはお前のことを知っていたぞ。」



どうして…


そんなに、簡単に――…?



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