華〜ハナ〜Ⅲ【完結】



「どうしてそれを言ってまで私のことを隠すのよ!私は…そんなことしてまで隠されたって…」



禍后の、墓…


それは私ですら知らない。


知っているのは乃亞だけだった…




「他に払うものがなかったんだ。……私の命じゃ間に合わなかったしな。」

「……あなた、」

「月華をどうにかして隠したかったんだ。」

「………。」

「……私にはもう、お前しかいないから。」




乃亞…そんな…



「…そんなこと……」



私は、乃亞に何も返してあげられないのに…




「……私がしたくてしたことだ。月華が傷付くことじゃない。」




言葉がない。


ただ、首をふることしか…



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