華〜ハナ〜Ⅲ【完結】
「……とりあえず上行くぞ。」
「うん。」
座り込んでいた嘉が立ち上がる。
「弘夜ぁ〜っ、悪いけどこの辺片付けといてくんね〜?」
「ハイ、李玖さん!」
「ドアはまた今度な。」
「分かりましたっス。」
その敬語はおかしいわよ、弘夜。
「……侑希ちゃん。」
「どうしたの、嘉?」
「…手、かして。」
ふわりと私の右手を掴む。
「……手、繋いでていい?」
「…ええ、もちろん。」
嘉の手、震えてる…。