華〜ハナ〜Ⅲ【完結】
小さなこと。
嘉はそう言ったけれど、そんなことが起こる原因となるものが小さいとは思えない。
今まで嘉が何をしても約束を守ってきたらしい父親が怒った原因。
それは、何?
私の頭の中では、一つの可能性が浮かんでいた。
「……ところで、侑希ちゃんと二人で話がしたいんだけど、いい?」
隣にいる私を覗き込む嘉。
「私は、いいわよ…」
聞けるのなら、聞きたい。
私の考えたことは当たっているのか否か。