華〜ハナ〜Ⅲ【完結】
「侑希ちゃんは……あの日の未也美さんに似てる……」
「未也美さん……」
やっぱり。
私が化けた、彼女。
あの時から嘉の言動はおかしかった。
ここで見たことのない言動だった。
「……違うか。あの日の未也美さんが、侑希ちゃんに似てたんだ……。」
「………。」
化けてはいても、私は“松宮未也美”自身にはなれない。
どこかに“私”の要素が残る。
ばれるとは思わないけれど、勘の鋭い嘉には何か感じとられたのかもしれない。