華〜ハナ〜Ⅲ【完結】
嘉と未也美/恋心
ピピピピ…
また、だ。
「嘉の携帯、最近よく鳴ってねぇ?」
「うん…まあ。」
「イタ電か!?」
「違うよ。」
電話をかけてくるのは、未也美さんだ。
連絡をとることなんかないだろうと思った彼女からは、予想に反して頻繁に連絡がきた。
「はい。」
『嘉、いま大丈夫?』
『ええ。』
大丈夫そうな時間を見計らってかけてきていたんだろう、未也美さんからの電話は大方がヒマな時間にきた。
『今日ね、学校でね―――』
他愛もない彼女の話は、ほとんどが大学のこと。
それも、授業で楽しかったことばったかりだった。