華〜ハナ〜Ⅲ【完結】
それなのに、ある日。
ピピピピ…
「嘉〜携帯鳴ってんぞ〜」
「ああ、ありがとう、楓…」
「はい。」
『………、』
「未也美さん?」
無言?
おかしいな、と思った。
いつもは矢継ぎ早に話しをするのに。
『……ひ、ろ…』
「未也美さん……?」
ひどく打ちのめされたような、困惑と悲しみがつまった、声。
「どうしたんですか…?」
そんな彼女の声は聞いたことがなかった。
だって、彼女は悲しい話しを笑顔で淡々と言うような人だ。