華〜ハナ〜Ⅲ【完結】
「嘉、最近優しーな。」
「え?」
「ホラ、今も!前だったら“何ソレ。”とか言ってたしな!なぁ、蓮?」
「……。」
蓮が頷いた。
…優しく、なったのかな。
それはきっと未也美さんのおかげだ。
『もしもし、嘉?』
「こんにちは、未也美さん。」
すっかり日課になった未也美さんと電話している時間が、すごく楽しかった。
けれど、幸せは実がつくとすぐに消えてしまうもので。
『嘉、あなた、新倉グループの跡取り、なの……?』
「え…?」