華〜ハナ〜Ⅲ【完結】
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「こんばんは。」
「こ、んばんは…」
例のパーティーに参加して、それももう半分ほどの時間が経ったころ。
運よく…いや、狙ってたけどね。
未也美さんと二人で話すことができた。
「色々と、お話しをうかがいたくて。二人で話しをできませんか?」
「……わかりました。」
人前という公開された場所で話す以上、家名にはある程度縛られる。
だけど俺たちはまだ跡取り予定の立場。
家同士が不仲だからといってこの場で出会ったのであれば、二人で話すのがおかしいわけじゃない。
「どうぞ、」
「ありがとう…」
見るからに乗り気じゃない彼女を、置いてあったソファに導いた。