先生の言うことがきけないの?



本人達は、小さな声で話したつもりかもしれない。


でもあたしには、しっかり聞こえた。


『デキてんじゃね―の』


その言葉だけが、何度も頭の中で繰り返される。


そして、何か考える前に、口が勝手に動いてた。


「せんせ―ごめ~ん。あたし、今日彼氏とデートだからさぁ早く帰るねっ」


「ははっお前彼氏なんていねーだろ」


誰かわからないけど、ひとりの男子がのってくれた。


「あ、ばれた?」


『はははは』


てきと―に場を流して、クラスを笑いの方向にもっていった。


谷内…今、どんな顔してる?


みれないよ…。


あたしも、どんな顔してるかわかんないから。





泣けないし。


笑うこともできないし。


なんでこんな気持ちになるんだろ…。



辛いよ…




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