先生の言うことがきけないの?
「ま、まじかよ、リーダー、どうすんですか!!」
「決まってんだろ、逃げんだよ!」
ガラの悪い男達ががやがやと騒いでる。
その間に、うちは谷内に肩を貸してもらい、階段を下りて外に出た。
ウーウー
外には3台ほどパトカーが来ていた。
3台じゃ全員のらないと思うなぁ…。
谷内に上着をかけられながら、そんなことを考えていた。
「悠莉!!!!!」
ふいに自分の名前を呼ばれ顔をあげると、そこにはあたしの親友がいた。
「実花…!!!」
うちらは泣きながら抱きしめあった。
「実花…ありがとう、警察と谷内呼んでくれて。本当、助かったよ…」
「あたしこそ…にげちゃってごめんね、こわかったでしょ?不安だったでしょ?もっと早く助けてあげられればよかった…こんな姿にさせて、本当にごめん。あたしのせいだ…」
うちの前で、大声で泣く一人の少女。
純粋で天然でばかで…どうしようもないやつだけど、うちの一番の親友だ。
「よしよし、おちつけ」
実花の背中をさすりながら、そんなことを考えていた。