So Alive
さらにしばらく歩くと第二関門であるトンネルが見えてきた

懐中電灯で照らしてはいるがそれがさらに恐怖心をあおる

トンネルを目の前にしたが何か吸い込まれそうな感じが否めない

「行きますか…」

「…」

若菜は黙り続け、薄暗い闇の中で首を縦にふるのが見えた

既にシャツはよれよれになっていた

手をつなげばいいものを勇気がなかった

こちらにおいても臆病者であった

トンネルに入るとまるで別の世界に来たような感じがした

外はムシムシするのにトンネル内はなぜかひんやりと冷たかった

壁には大量の落書きがたくさんあった

ふたりとも歩くスピードが早かった

無言のままトンネルを歩いていた

長さは対した事がないのに妙に出口が遠く感じた

『まだか…』

そんな事ばかり考えながら出口まで歩き通した

私は出口に出て後ろを振り向かなかった

何かがいそうな予感がしたからだ

そのまま真っ直ぐにいくとロータリーにぶつかった

このロータリー、逆方向に回ると不吉な事が起こると有名な場所だった

私はそういったものは信じないタイプだがきちんと方向通りに回った

ロータリーを回るとしたの方でみんなの声がした

もうすぐゴールのようだ

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