So Alive
「どうした?」

と私が正也に言うと

「今からね全員揃ったからレースすんだよ」
「飛び込み台使ってか?」

「おう」

私もプールから上がり飛び込み台のスタート位置へ歩いていった

月明りに全員の尻が反射していて綺麗なのだがどこか異様な光景だった

全員がスタート位置に着き健児が合図を出す
海水パンツを履いていれば様になるような構えでも妙に変に感じてしまう

「ヨーイ、ドンッ!」
「ドッポーン!」


一斉に飛び込んだと同時に全員一旦泳ぐのをやめて悲鳴に近い声を出した

理由は簡単だった

全員股間を強打していて動けなかった

「イッテー…」

全員それしか言っていない

私は股間も当然痛いがお腹も痛かった

叩かれたように痛かった

「普通に泳がねぇ?」
益山が言うと正也が

「シッ!静かにしろ」

みんな黙った

「どうした?」

とメンキンが言うと

「さっきそこに人がいたんだよ」

「はぁ、マジで!?」
みんな一ヵ所に固まり始めてジッと動かなかった

音を立てないようにプールから上がり壁伝いに移動すると警備員らしき車があるではないか

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