So Alive
全員頑張ったおかげか約二時間を経過したころ優香の親が迎えに来た

正也は外まで送り出す事に

「じゃみんなまたね。おやすみなさい」

全員若干引きつった顔で

「気をつけてね」

正也が

「ちょっと行ってくらぁ」

そうすると正也は外へ
落ち着きの一服を全員吸う事に

勝谷が

「いやぁキツいね」

永田が

「彼女が出来てもおかしくない奴だけど正直連れてきて欲しくないよな、なぁユキ」

「まったくだ、俺らの身にもなれってんだよな。ありゃ体によくねぇよ。…んっ、ちょっと煙いから窓開けるわ」

私は窓を開けチラッと目の前の道路を見た時、恥ずかしさでいっぱいだった…

「うわっ?!正也がチューしてる!」

全員一斉に窓から身を乗り出した

そこには正也と優香、抱き合ってキスしていた二人がいた

身を乗り出して見ていたが全員なんだか悲しい気持ちになった

自分達の出来事ではないのに妙に切ないのである

全員しばらく無言のままタバコを吸っていた

窓が開いていたのに煙が目に染みる十五歳の冬であった


しばらく無言にしていたら急に勝谷が

「おい、俺達バンドやろうぜ」

私が

「俺とか勝谷、正也は楽器弾けるからいいけど他のみんなどうすんだよ?」


「なんとかなるだろ、ってか正也もいれるの?」

「当たり前だろ、女がいなきゃアイツは完璧なんだから」


すかさず私が

「まさかモテる為にバンド組むのか?なんか典型的過ぎねぇか?まぁいいけどよ」

まんざら私も嫌ではなかった

バンドをやる事によってちょっとでも退屈をしのげると思うと賛成である

そんななかメンキンが
「俺サックス自宅にあるからそれでいいかな?」

全員が

「大丈夫じゃん」

と生返事で返す

偉そうな事みんな言ってますが楽器に関してはまだまだズブの素人で毛が生えた程度だった

先が思いやられるな

妙な団結力、そして童貞の集まり「チェリーボーイズ」が結成された

勝谷が

「童貞をすてていったら自己申告で抜けるように!ちなみにぬけてもチェリーボーイズOBになるだけだから!」
ベタなチーム名だがなんとか全員の士気は高まって行った

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