乱華Ⅰ【完】
居場所…
一瞬、乱華のメンバーが浮かんだけど、頭をふるふると振って追い払った。
何を…何が言いたいのだろうか。
「……」
「1人は寂しいからな」
担任は視線を私の後ろに向けて、それを目で追えばギャーギャー騒ぐカラフルヤンキー。
そいつらを見て目を細めた。
「………、」
「早く、みつけろよ」
ひゅうっと木枯らしが吹く。
ざわざわと寂し気な木々が揺れる。
枯れ葉が舞う。
赤と黄色が。
私の髪を風が攫っては揺れる。
私が、揺れる。
「…み…「おい!!」」
口を開きかければ、ガシリ、タクから肩を掴まれた。
私はただ口端を上げて笑った宮地が、この場を去っていく姿を見ていた。
その、へらへらの笑いじゃなく、穏やかに笑った顔を。