乱華Ⅰ【完】
あの宮地が頭下げるって、どんな状況だよ。
へらへら教師。
だけど、まぁ…
確かに心ちゃんは危うい。
特に初めて会った日…
本間に喧嘩売った時は―…
恐れがなかった。
あれは―……
自分がどうなってもいいって奴の面だった。
諦めてる。
何かを。
「アイツの情報がなんで出ねぇかはわからねぇけど…アイツは―…心は…梨桜に似てる」
颯人から久しぶりに聞くその名。
その表情を見て俺はもう何も言えなくて、ただ「…そうだな」頷いた。
確かに似てる。
梨桜に、どことなく。
少しの沈黙の後「俺達も行くぞ」颯人の声で、倉庫を後にした。
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