乱華Ⅰ【完】


あの宮地が頭下げるって、どんな状況だよ。



へらへら教師。



だけど、まぁ…



確かに心ちゃんは危うい。
特に初めて会った日…



本間に喧嘩売った時は―…





恐れがなかった。



あれは―……




自分がどうなってもいいって奴の面だった。



諦めてる。



何かを。



「アイツの情報がなんで出ねぇかはわからねぇけど…アイツは―…心は…梨桜に似てる」



颯人から久しぶりに聞くその名。
その表情を見て俺はもう何も言えなくて、ただ「…そうだな」頷いた。





確かに似てる。
梨桜に、どことなく。



少しの沈黙の後「俺達も行くぞ」颯人の声で、倉庫を後にした。



――――――――――――――
―――――――――


< 109 / 294 >

この作品をシェア

pagetop