乱華Ⅰ【完】


「…それは悪かった。じゃ私はこれで失礼」



しばらく続いた沈黙を破ったのは私。



勢いよく立ちあがって、片手を挙げる。



何やってんだ私は…
自分を殴りたい。
激しく殴りたい。
そんな衝動に駆られる。



いくらなんでも記憶飛ぶって…何してんのよ私。



「おい」


「なに…?」



グイッと手を引っ張られるけど、その真意がわからない。



そいつをじっと見据える。
が、薄暗くてその表情はよく見えない。



「…まだ寝てろ」



さらに引っ張られてボスン。
ベッドにバランスを崩して座った私。



「いや、私学校…「まだ夜中だ」」



……?



その言葉で私はあたりを見渡した。
薄暗いと思ってたのは部屋の照明で、窓の外はまだ真っ暗だった。



壁に掛けられた時計が自分を主張するかのように



カチコチカチコチ



時を刻む。



朝だと思っていたのは私だけで、時計はまだ午前2時を指していた。


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