乱華Ⅰ【完】
「…アイツらは?」
「既に全員いる」
……アイツら?
アイツらって誰…?
颯人の問いかけにタクが答える。
タクは私の肩に手を置き、そのままがっしりと掴んだ。
まるで逃がさないという様に。
「大丈夫かね〜碧とか失神すんじゃねぇの〜?」
「大丈夫だろ!コイツ女って感じじゃねぇし!!」
修がだらだらとタバコをフかしながら、チラリと私を見る。
司は明らかに私を指差して言ってるんですけど。
…司はどうやら死にたいらしい。
タクに肩を掴まれたまま司を睨めば「んだよ!睨んでも怖くねーよっ!」キャンキャン喚く。
よし、泣かす。
あのドチビいつか絶対泣かしてやる。
「心」
心の中でつらつらと考えていた私を颯人が呼んだ。
「行くぞ」
明らかに目の前の倉庫に歩き出した颯人に続いて、私の肩を掴んだタクが歩き出す。
私の意思とは関係なく、タクに連れられて歩く。
「…タク?」
「………」
タクは何も言わなくて。
肩にある手の力は緩まない。
ただ、心なしか楽しそうに見える表情。
肩越しに振り返れば私達の後ろから他3人も付いて来ていた。
…………。
説明が欲しいんですけど。