乱華Ⅰ【完】


颯人が2階の階段を登りきり、扉を開ける。



少し古いのか、ギギギ…耳に残る様な音がした。



颯人が中に入ったのに続いて、タクと同時に扉を潜る。
正宗、修、司と部屋に入り扉はバタン!
勢い良く閉まった。



「………」



どこだ、ここは。
あの倉庫に似た物の配置。
入り口付近に立つ私はキョロキョロしていて、目の前に人がいる事に気付かなかった。



「……この子が噂の姫、ですか」


「あぁ」



その声に少しビクッと肩が跳ねた私は、声の主に顔を向ける。



そこには3人の男がいて、私と目が合った真ん中の人物は、穏やかに微笑んだ。



……誰?



「心ちゃん、ここは乱鬼の倉庫だよ」



髪が銀色の人物をジッと見ていると、正宗がここにきてやっと説明をくれた。



「…乱鬼」



確か乱華の傘下だか同盟だかのチーム…



「今日はね、心ちゃんにコイツらを紹介しようと思ってね。ウチの倉庫じゃ狭いからこっちに集まってもらったんだよ」


「コイツらは傘下のトップだ」


「…トップって…総長って、事?」



颯人を見上げて問えば「そうだ」私の頭にポン、手を置いた。



それを見ていた目の前の3人は、目を見開き固まってしまったけれど…


一体、どうしたのだろうか…?


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