乱華Ⅰ【完】
わけがわからずに正宗に向き直れば「おい」彼は3人を促した。
「あ、あぁ。
俺は桐谷蓮高校3年。龍王の総長だ。
よろしく」
銀髪の彼が私に手を差し出したから、その手を握り「よろしく…です」言った。
「俺は柳井奏多18歳。乱鬼の総長です」
坊主頭の彼は私に向かって一礼したから、私もペコリ頭を下げる。
こんな暴走族なんてやってても、礼儀正しい奏多さんにびっくりしてしまう。
見た目厳ついのに。
「…成宮碧。神風の総長」
ボソッと早口で言った彼は、目も合わす事なく視線を宙に向ける。
黒髪パーマと見た目は暴走族には見えない。
と、いうか基本的に乱華のメンバーも目の前の3人も髪色を除けば、暴走族には見えないイケメン。
羨ましい限りですね。
「コイツは佐伯心。知っての通り乱華の姫―…即ち龍神乱舞の姫でもある」
颯人が私の頭に置いていた手を動かし撫でる。
「さっきも言ったけど、お前らコイツに危険がねぇ様に今まで以上に気ぃ張れよ」
掴んでいた私の肩をバシバシ叩きながら言うのはタク。
コイツマジで力の加減って物をわかってないんじゃないだろうか?