乱華Ⅰ【完】
tenth
「これでいいっ!?」
半ばキレ気味に目の前の人物を睨みつける。
「…お前もっとマシにできねーのかよ」
私が一生懸命やったそれに目を向け、はぁ溜め息吐きやがった。
ふざけんなっ!
こっちはマジで疲れたんだよっ!
11月になんでこんな、汗かかなきゃならんのだ。
溜め息吐きたいのはこっちだっつうの!!
もうタクなんか裸で走ればいいんじゃね?
「あぁ?」
あ、ヤバ。
また口に出てた。
「…タクさぁ、それが人を散々コキ使った態度なワケ?」
マジで疲れたんだって。
見たらわかるでしょ?
大袈裟に肩で息をしてみせれば
ハンッ
鼻で笑いやがった。
そのオレンジ頭むしり取ってやろうか…?
殺意の籠もった目をタクに向けて「…もー疲れた」呟く。
「あぁ?走りはまだこれからだっつうの」
「お前が疲れさせたんだよ」
紛れもなくお前の存在が私を疲れさせてんだよ!
なんでタクってこう、いちいち人を疲れさせるの?