乱華Ⅰ【完】
「おい行くぞ」
あんたの準備が終わったら速攻ですか。
少しは休ませろよな!!
つか、なんで私がタクのサラシなんざを巻かなきゃならんのだ。
颯人とか正宗とか手先器用且つ慣れてる奴が、ここにはゴロゴロといただろうよ。
不満タラタラの目でギロリ睨みつけても「ほら」右手を差し出してきた。
聞いちゃいねぇ。
そんなタクの右手を掴み全体重をかけたのに、アッサリ引かれる手。
「お前、軽いな」
「………、」
「少しは食ってんのか?」
「…食ってるよ」
つか、お前ら私にやたら食わすだろ。
お陰で太ったんだよ。
思わず口から舌打ちが漏れる。
「…お前少しは口直せよ。男みたいな話し方すんじゃねぇ」
「…うるさい」
関係ないでしょ。
あんたに。
「モテないぞ?」
ケラケラ笑ってからかうような言い方のタク。