乱華Ⅰ【完】
その表情は酷く鋭い。
赤茶髪の女だけじゃなく、他4人も私に鋭い視線を投げ飛ばしてくる。
だけど私には認める、認めないなんて関係ない。
だって―…
「別にあんた達に認めて欲しいなんて思ってない」
乱華のメンバーが認めてくれるんなら、それでいい。
首に下げたネックレスを手にして前を見据える。
私の言葉が意外なのか、掴まれた手の力が緩む。
その瞬間パシリ、赤茶髪の女の手を払いのけた。
ポカンとした表情を浮かべるギャル達を一瞥して、クルリと踵を返す。
そこから一歩踏み出そうとした瞬間
「…何よアンタなんか梨桜さんの代わりのくせに!」
ボソリと、だけどハッキリと言葉を落とした。
梨桜…?
梨桜って、誰?
それに、代わりって―…