乱華Ⅰ【完】
動けないでいる私の真横を、勝ち誇ったような顔をして通り過ぎていくギャル達。
何事もなかったかの様に談笑しながら、トイレから出て行った。
やたらと鼻につく香水の香りだけが、その場に残る。
トイレの入口のドアを振り返り確認をするも、ドアは閉まったまま。
カラフルヤンキーが入って来る事は、ない。
幸いにもここは一階。
この学校は土足。
トイレに設置してある窓。
そこに足を掛けた。
“梨桜さんの代わり”
“消えてよ”
“目障り”
頭の中を支配する言葉がアイツの言葉とリンクする。
痛い、苦しい。
この虚無感を誰か埋めて…
…―誰か、私に居場所をちょうだい。