乱華Ⅰ【完】



あの事件のあとここにきた時には正直吃驚した。


2階は無傷なものの、1階の酷さと言ったらすごいものだ。




窓ガラスは粉々に割れ、シャッターはべこべこ。
所々に置いてあるドラム缶はその形をなさないまま横たわっている。
バイクの部品なのかなんなのか私には判断つかないものが通路の至るところに落ちていて…




極め付けは床にこびりついた血痕。



一体誰のものなのか、それは怖くて聞けなかった。




だから今日は乱華のメンバーみんなで大掃除を兼ねて倉庫内を整理している。



後少しで12月になろうという季節。
はっきり言って寒いのに、下にいる彼らは何処吹く風。かなり元気だ。




至る所からギャーギャーと楽しそうな声が聞こえてくる。




私は正宗と一緒に2階の掃除を颯人に任され、たった今の今までほうき片手に正宗にコキ使われていた。



笑顔でサクサク指示を出してくる正宗はてんやわんやの私を眼鏡の奥で笑っていた。


なんて奴。



「おー結構綺麗に片付いたな」


「当たり前でしょ!?」


私が正宗にコキ使われたんだから!!

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