乱華Ⅰ【完】



倉庫に戻った時には倉庫内が随分綺麗になっていて、幹部部屋にはみんなが揃っていた。




「おかえり心ちゃん、タク」


「…うん。ただいま」


「なんだ?なんか元気ないじゃねーの」



正宗に告げたただいまに反応を示したのはソファーに座ってタバコを吸っていた修で、そんな彼に私はおずおずとさっきぶちまけた買い出しの商品を手渡した。



「…がーん」



横からひょっこりと袋の中身を確認した司は、目に見えてしょんぼりとしていた。
どんだけお昼楽しみにしてたのよ。

だけどもまぁ、悪いのも私なわけで



「…ごめんね?」


とりあえず謝っておく。

司は何も言わなかったけど、その袋の中身を取り出して食べていた。
ぐちゃぐちゃでも気にならないくらいお腹が減ってたのか…





「なんでこんな事になったの?」



まるでわからないという表情の正宗に私は正直に人にぶつかったこたを話せば、タクが正宗から恐ろしいほどの冷笑をお見舞いされていた。




「…大丈夫か?」



その話を聞いていたらしい颯人は、机から立ち上がり私の前まで来て、あちらこちらに視線を這わす。




「大丈夫だよ」


怪我なんてしてないし、と手足を見せて笑う。
あの紙切れの事は言わない。
いや、言えない。



これ以上は迷惑かけられない。



そんな私に正宗と修が探りの目をいれて来ていた事に私は気づかなかった。



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