乱華Ⅰ【完】
電話を切って自然とため息がが出る。
T県の暴走族ねぇ…
パソコンでカタカタとキーワードを入力してみるものの
やっぱりな。
情報が殆ど出てこねぇ。
どうなってんだ?心ちゃんといいこの暴走族といい。
俺の腕が訛ったのか?
もう一度調べようとした時、
「T県ねぇ…」
デスクに座って悠々とタバコを吸っていた颯人がうっすらと瞳を開いてこっちを見ていた。
「どうした颯人?」
「…いや、なんでもねぇ」
…どうしたんだ?
颯人はそれからはまた黙ってタバコを吸っていた。
この時颯人が何かを考え込んでいる事に気付いていたら、もしくはもっと掘り下げていれば何かが変わっていたのかもしれない。