乱華Ⅰ【完】



赤茶色の髪の女は歪んだ顔から不敵な笑みにシフトチェンジし、唇の端を思いっきり持ち上げて悪役顔負けの表情。




それにつられてかなんなのか、周りの女達も似たり寄ったりな表情になる。




「一応最後に聞くけど乱華から離れる気はー…」


「ない」


言い終わる前に被せて答えれば“それは残念”ちっとも残念って顔じゃない顔で言う。




「いいわ、そう言うと思ってたわ。でもすぐにそうも言ってられなくなるわよ?…ねぇ?




赤茶色の髪の女達が凶悪な笑みを携えた瞬間



「へーこれが噂の乱華のオヒメサマかよ〜」


何処から現れたのか、彼女たちの後ろからイヤラシイ笑みを浮かべた男が三人。


赤茶色の髪の女達越しにその男たちを睨みつけるように観察した。


…制服は着てるけど、ウチの制服じゃない。

髪色はこの高校と変わらずって感じ。
痛みきったきったねぇ金髪男に、茶坊主のヒョロっとした男。あとやたらとガタイのいい赤い髪の男。




男達はそのままひたすら睨みあげていた私との距離を詰めてきて、ドンと背中がドアに当たった事で自分が体育館倉庫まで押しやられている事に気づく。




「麗奈マジでいいのか?」


赤茶色の髪の女を麗奈と呼んだ金髪男はポケットからキラリ、光るナイフを取り出し私に突きつけた。




< 204 / 294 >

この作品をシェア

pagetop