乱華Ⅰ【完】
あの紙切れを見たとき…いやぶっかった後姿を見た時から彼女達の仕業なんだろうなって薄々思ってた。
だからおびき出すためにわざと1人で校舎を歩いてた。
もう私の事で颯人達に迷惑かけたくなかったから。
自分で解決するんだって。
これは私の問題だから。
ヤバイって事はわかってた。
だって私に好意を持ってるなんて欠片も思わないから。
安穏とした話し合いで終わるとは微塵も思ってなかったけど…
だけど男が現れて、しかもナイフ突き付けられるなんて誰が思う?
動けない体の代わりに脳が異様にフル回転していたら
「ー…二度と乱華の前に現れられないくらいメチャメチャにしてやってよ!」
麗奈と呼ばれた女の静かに、だけど強い口調が空気を振動させて私の耳に届いた。