乱華Ⅰ【完】
授業が終わり休み時間。
しんとしていた教室は、ここでピリオドを打った。
「あーあっちぃ〜マジありえねぇー冷房効いてんのかぁ?ここはよぉ」
バァン
その音がピッタリだった。
勢いよく開いたドアの向こうには、オレンジの髪がキラキラと光って見える背の高い男。
ブレザーは肩に掛けて、シャツは腕捲りされていて、10月の半ばだというのに暑そう。
「ちょ〜っとタク、うるさいのよ〜ボリュームをさげな、ボリュームを」
その後ろには右手を耳に当て、左手で襟足まで伸びた髪をくるくると弄びながら、タクと呼ばれた男をうざったそうに見ている男の人。
一瞬にして教室内がざわつく。
「しゅ〜う〜、来るのおっそーい」
「待ってたんだからぁ〜」
「タクさん、修さんおはようございます」
「これどうぞ」
…そんな声が聞こえる。