乱華Ⅰ【完】
修と呼ばれた男はケバケバしい女に囲まれている。
…おいおい教室の中で何やってんの?
つやっつやに磨かれた爪を首に巻きつけて熱い抱擁。
執拗なまでに抱きつく女はまるで乾いた心を埋めているようで…
それを見た他の女も私も〜と言わんばかりに熱いハグ。
…なんだかそれが滑稽に思えた。
今までに自分がやってきた事と大差ないくせに。
へらっと笑う男はまるで挨拶のように、何事もなかったように振る舞う。
明るい茶髪。
襟足まで伸びた髪が首にかかって色気を増す。
愛の大安売り。
もう一人はさっきのカラフルな頭の奴らと楽しそうにしている。
…と言っても楽しそうなのはオレンジ頭の奴だけで、周りはそんなオレンジ頭にプロレス技掛けられて少し悲惨。
そんな一連の行動を横目に納めて私は前を向き直ろうとした…