乱華Ⅰ【完】
sixteenth
夢を見た。
あの隔離された様な堅く、重い世界で
たった二人の幼い子。
やたらと広い部屋で
私の隣で笑うアイツ。
私の何気無い話をちゃんと聞いてくれて
心って名前を呼んで、頭を撫でてくれた。
頭に乗っかった手は暖かくて私はそれにひどく安心する。
2人で食べる食事は美味しくて
ついつい私まで笑顔になる。
…だけど本当のアイツは
私の前で笑わないし
私の話を聞く事なんてなかった。
名前を呼んでさえもくれなくて…
あぁ、これは私の願望なんだ。