乱華Ⅰ【完】



「タクなら」


そこで一旦言葉を切って正宗の隣に腰掛けて、タバコに火を付ける。

あーやっぱタバコうめぇわ。
辞めれる気がしねぇ…




正宗は食べてた箸を止め、眼鏡をくいっと持ち上げてこちらを見てくる。


修はまだ飯に手をつずにタバコを吸ってて、司は耳だけを傾けているのか、食べる手を止めなかった。






「さっきまでここにいたぞ」


「…すれ違ったか…どんな様子でした?」


「ここに来た時には既に荒れてたな…」


「…はぁ、やっぱりか」



正宗はため息を吐き出して、携帯で何かを操作しだす。
まぁ多分タクの捜索でもさせるんだろう…





「で、和真さん、タクはどこに行ったんだよ〜?」


「…あぁ、俺が余計な事言っちまったせいで、飛び出して行っちまった」




携帯操作し終わった正宗の顔が引き止めておけよって物語っていてつい、悪ぃなって言いながら顎に生えた髭を触る。





「和真さんタクに何言ったんんだよ?」




口をもぐもぐと動かしながらも、司は質問をしてくる。
っとに行儀悪ぃな。食うか喋るかどっちかにしろよ。


ふぅータバコの紫煙を吐き出してさっきの事を思い出す。





「逃げるなっつー事と、颯人の事、だな…」

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