乱華Ⅰ【完】
「おいおい、それ地雷じゃないの〜」
「わかってるんだがな。どうしても言わずにはいられねぇんだよ」
修はタバコを灰皿に押し付けて、俺の方をちらり見て苦笑いを溢す。
過去を忘れろなんて言わねぇけど、そろそろ前に進んでもいいんじゃねぇか?
「だいたいアレはタクのせいでも…誰のせいでもないだろ?」
「そうですけど…あれは本人の気持ちの問題ですしね」
わかってんだけどよ。
正宗のその言葉を最後に一気にシーンとする。
各々が何かを考えていて、少しピリッとした空気に包まれた。
「…タクの奴、問題起こさなきゃいいけどねぇ」
少しして修はぼやきながら、生姜焼き定食を食べ出した。
…もうそれ絶対冷めてるぞ。
「…ところで颯人と心ちゃんはどうした?」
この空気を変える為に、そういえばと姿の見えない2人の話題をだした。
まぁあんなことの後だからいないのかもしれないが…