乱華Ⅰ【完】




「今は寝てます」


「寝てる!?ただの打撲じゃねぇのかよ!?寝込む程悪いのかっ!?」




聞いてた話と違うじゃねーかっ!!
誰だよ俺にガセ教えたのはっ!!
ダンッ!テーブルを叩きつけて正宗を見やるも、奴はキョトンとしていた。




「和真さーん。寝込んでるんじゃなくて、寝てるんですよ〜つまりお昼寝っつーワケっすよ〜?」


俺の焦りようにくすくすと含み笑いを見せながら言う修。
修は間違いなく俺をバカにしてやがる。
いつか絶対に躾け直してやる。



…つーかこの情報はこいつらの担任の宮地さんからだ。
ガセなワケねぇよな。
テーブルに乗せた手を元に戻してゴホン、咳払いを一つして居住まいを正した。





「あの女は俺が真面目に勉強してんのに、ソファーでスヤスヤ寝てやがったかんな!」



司は何が悔しいのかちきしょう!言いながらふくれっ面で俺に訴えかけてくるから「お、おう」勢いに押されて相槌をうった。



まぁ、その様子だと怪我の具合はそこまで酷くはないの、か…?




「颯人も総長室で寝てたから後から2人でコッチ来ると思いますよ?」


「そうか」



しかし颯人が女連れて2人で繁華街歩いてくるのかと思うと、不思議な感じっつーか違和感しかなかった。

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