乱華Ⅰ【完】
「おー来たか。正宗達なら奥だぞ」
颯人が入ると来るのを知っていたらしい和真さんが出迎えてくれた。
て、ゆーか正宗達いないと思ったらここに来てたのか。
颯人に続いて中に入ってまず派手な髪色の和真さんを視認する。
うん。相変わらずの金髪具合。
和真さんと颯人は何か話出したから先に奥に行こうと思うけど、挨拶だけはしといた方がいいよね…?
「…こんにちは」
「あ、あぁいらっしゃい…心ちゃん」
颯人から私に視線を流した和真さんの顔がなんとも言えない顔に歪められた。
…多分顔を見て戸惑ったんだろう。
そりゃ誰だって顔にでかい湿布貼った人がいたらどうしたんだ?ってなるよね。
和真さんがそれ以上何か言う事はなかったから、そのまま奥に歩いて行った。
「…想像以上にひでぇな?」
「あの下はもっとひでぇ」
「つーかあのキスマークどうにかなんねぇのか?」
「チッ…どうにかできんならとっくにしてんだよ」
2人がそんな会話をしてたなんて知らずに。