乱華Ⅰ【完】
2階には部屋が2つあって、廊下には1階と同じく横たわる複数の人。
ただ1階と違うのは乱華のメンバーが何人もいた事。
乱華のメンバーは片方のドア近くで様子を伺うようにしていて、その中には瞬の姿も確認できた。
瞬は私と目が合うと驚いた顔をしながら近寄ってきて
「何やってんスか!?」
開口一番に怒鳴られた。
キャンキャン喚く子犬な瞬の声に反応して他の乱華メンバーも私の存在に気付く。
「危ないっスよ!」と吠える瞬に、同意するかの如く皆首をコクコク頷かせていた。
それを無視してドアの方へと歩きだせば、肩を強く掴まれる。
その力に咄嗟に反応して瞬の手を力の限り振り払ってしまった。
「…あ、ごめん…」
「…」
ただでさえ重い空気が更に重くなった。
瞬は私の頬に貼られたままの湿布をチラリ、見て悲しそうな顔をする。