乱華Ⅰ【完】
「ちょ…離せ!」
ぐいぐいと引っ張られる腕を振り解きたかったのに……コイツ力強すぎ!!
目の前のオレンジ頭を見る。
その長い足はスタスタと早歩きで、私の短い足じゃぁ着いていくのでやっとだ。
肩で風をきって歩くオレンジ頭に道をあける生徒たち。
…頭を下げて深々と挨拶をしてくる輩までいた。
その様はまるでライオン。
後ろを振り返ってみると、茶髪がダラダラと着いて来ていた。
まるで逃がさない、というように。
「ねっ…ねぇ……どこ、行ってんの?」
さっきからスタスタと歩くオレンジ頭に疑問を投げかける。
だって、明らかに校舎の外に行こうとしてるよ…ね?
3階、2階、1階…と階段を降りて昇降口に向かう3人の足。
「ちょ〜っと黙ってようね〜」
後ろを歩いていた茶髪はいつの間にか隣に来ていて、肩にずしり体重をかける。