乱華Ⅰ【完】
「コッチはテメーのせーで朝から大迷惑だったんだよ!!」
ほつれほつれに歩く私の腕を更にグッと引っ張って、どこからともなく現れたその車に押し込められそうになる。
「た…助けて!」
私は誰に言うわけでもなく、遠巻きにこちらを見ていた生徒達に助けを求めた。
でもみんな見て見ぬフリ。
まるで私の言葉が届いていないかのように。
「誰も助けになんて来ねーよ。おい出せ」
まさかの昨日の不細工2人組と似たような言葉を吐いたタク。
半ば強引に車に押し込まれ、気がついた時にはガッチャン。
ドアがロックされていた。
そしてゆっくりと発進される車。
学校がどんどん遠くなっていくのが視界に入る。