乱華Ⅰ【完】



車に乗り込む時見えたのは、乱華のメンバーが次々にこの場所から走り去って行く所だった。



その姿はボロボロで、乱闘の激しさが伺える。



修と司もバイクで走り去って行って、私達の乗る車がこの場所を離れて少ししてから赤灯を回すパトカーが止まるのが見えた。



本当あと少し遅ければ遭遇してたに違いない。
そうならなかった事に安堵しながらそっと車内の様子を伺った。




運転席には来た時よりもボロボロになった梶さん。頬にあるかすり傷が痛々しい。

助手席には正宗。後部座席の右には颯人。



そしてこの3日間空いていた私の左側にはタクがいて。



やっといつもの車内になった。
空いた左側が寂しかったし、不安だった。



だけど素直に喜べないのは

…この明らかに悪い空気のせい。



悪いってゆうか、無言。
無言の圧力がかかっている。


それは間違いなく助手席に座る正宗から発せられていて、その隣の梶さん…顔が青いんですけど。


立派な龍の刺青も台無しなくらいに、真っ青。




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