乱華Ⅰ【完】
「まぁ落ち着けよ司」
「タクが1番納得いかねぇ!ぜってー勉強なんかしてなかっただろ!!」
司の肩をぽんぽん叩きなら隣にドカリと座ったタクに噛み付く赤点男。
「そりゃ、お前とここの出来が違うから」
自分の頭を人差し指でツンツンしながら、なんか偉そうに言うタクだけどいや違うだろ。あんな簡単なテストよっぽどのバカじゃない限り誰でも出来るだろ。
…とは目の前の赤点取ったよっぽどのバカを前にして言えないけど。
「そういえば瞬も赤点取ったって言ってたよ」
パソコンの画面から顔を上げた正宗が司に言えば、一気にほころぶ顔。
「マジで!?良かったー!!1人で補習かと思ってた。ちょっと瞬のとこ行ってくる!」
生き返ったかのように走って幹部室を飛び出した司。どんだけ同族が欲しかったの。
「さーて俺もテストで訛った身体をほぐしに走りに行くかなぁ〜」
いや、あんたテスト中も走りに行ってたじゃんよ。
本当司と修はバイク好きだよね。
…ってこいつら暴走族だからバイク好きなの当たり前か。