乱華Ⅰ【完】


「…心お前ここにいるだろ?俺も久々走らせてーから行って来るわ」




修が立ち上がったと同時にタクも立ち上がってバイクのキーを掴み取る。




タク、いつも私の護衛で行けないもんね。たまには行ってきなよ。
私はそれに「うん」と返して2人を見送った。





途端に静かになる幹部室。


チラリ見た正宗は席から立ち上がってコーヒーを淹れていた。



やっぱりってゆーか納得ってゆーか、私達の学年の1位は正宗。オール満点。
ロボットかオマエは。



ちなみに颯人が2位で私が3位だったりする。




そんな颯人は珍しくここにいなかったりする。この前とそれを踏まえてのこれからの事を蓮たちと話し合ってるらしい。



「はい。心ちゃんも飲むでしょ?」


「あ、ありがとう」



目の前にスッと出されたコーヒーを受け取り、一口飲む。
一瞬で胸がポッと暖かくなって、それが身体中に広がった。


そのまま私の横に座った正宗はメガネを外してふぅと一息ついた。


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