乱華Ⅰ【完】




「ご令嬢って。あんな口の悪ぃお嬢様なんて俺見たことねぇけど〜」


ヤレヤレといった様子の修だが、そこは激しく同意する。
心ちゃんはお嬢様にしては口と少し態度が悪い。
この場合お嬢様っつーよりは…



「…颯人は見た事ないの?」



みんな同じ考えに至ったのか正宗の質問と同時に颯人の方を見やる。



「…ねぇな。つーか碧の言うパーティーは俺の方じゃねぇだろ」



颯人は海を背にタクを見て、ふぅーっと煙と一緒に言葉を吐き出した。
それに碧は小さく頷く。


…まじかよ。まぁ颯人の所だとしたらそれはそれで問題…か。
颯人の視線の先タクにチラリ目を向ける。



「…じゃぁタクは?」


「…俺があんな胸糞わりぃパーティーに行くように見えるか」


「一応だよ。確認のために聞いたまでだから」



正宗が呆れながら言って、はーと深いため息を吐き出した。



「まぁアイツがお嬢様にせよ、なんにせよ可能性があるなら調べるしかねーんだよなぁ…」


「…そうですね」



修の言葉に同意した奏多に碧が「自信はねーけど」と付け足す。

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