乱華Ⅰ【完】
「何が人攫いだ。バカかテメェはよ」
オレンジ…いや、タクは私につかつかと近寄り頭をベシッと叩く。
痛いんですけど!
「人攫いじゃないならなんなんだよっ!てかここどこだよ!」
辺りをキョロキョロと見渡す。
なんか応接室みたいな感じ…?
3人掛けの黒いソファーがガラステーブルを挟んで並べられたここ。
私はそのソファーの上に寝ていて…
テーブルを挟んだソファーの後ろにはデスクが一つ。
…どこなの。ここは…
「ちょっとーこの子大丈夫〜?」
タクの隣からひょっこり顔を出したのは
「…しゅ、う」
「あ、俺の名前覚えてくれたの〜?嬉し〜」
へらへらと笑う修。
タクよりはコイツの方が質問に答えてくれるかと思ってもう一度問いかけた。
「ここどこ?」
「俺らの拠点だよ」
だけどその答えは修からでも、タクからのものでもなかった。