乱華Ⅰ【完】
さっきから陽炎ってなんなわけ?
しかも狙われるって…?
ソファーに深く腰掛け、足を組みながら考えれば
「昨日の2人は陽炎の幹部候補だ」
颯人から答えが返ってきた。
幹部候補…?
何の幹部候補なワケ…?
え?
てか…は?
偉いの?
昨日の気味悪い奴ら。
「テメェさっきから声出てんぞ!」
司が頭で手を組んで心底面倒くさそうに呟く。
面倒くさいならいちいち言わなきゃいいのに。
「まぁ確かに気味悪いけどな〜アイツらは」
スパスパと最早、何本目になるか分からない煙草を吸う修。
「…とにかく。お前は昨日、佐山が呼んだ奴に喧嘩売ったんだよ」
面倒になってきたのか、やたら早口で言ったのは颯人。
面倒ならわざわざ私をこんな所まで連れて来るなよな。
「まぁ、それが陽炎のボスだったワケだよ」
なにやら正宗が携帯をカチカチと操作して私に寄越した。