乱華Ⅰ【完】
「とにかく、心ちゃんはその本間省吾に喧嘩を売って、駆けつけた俺らが時間稼ぎして、颯人と先に逃げたわけ」
へぇ〜って聞き流せない。
私、何こんな明らかにアチラの世界の住人に喧嘩売ってんの?
私、大丈夫!?
酔ってたからって何してんのっ!?
少しずつ…
少しずつ、自分のやらかした事に血の気が引く。
「と、まぁここまでが心ちゃんの話なんだけど、問題はここからなんだ」
問題はむしろそこなんじゃないか?と突っ込みたくなったけど、ほぼ放心状態の私はそんな事は口にはしなかった。
いや、むしろできなかった。
そして正宗は話し出した。
自分達の立場とこれからを。