乱華Ⅰ【完】
話を聞き終えた私はハッキリ言ってバカ面全開だったと思う。
だって暴走族って…
今時いるの?って感じだし。
そんなのに狙われてるって言われても、イマイチ現実味がないというか…
そもそもなんで私を狙うのかがわからない。
キッカケが私だったとしてもこれは乱華と陽炎の喧嘩って事でしょう…?
私は関係ないんじゃ…
「無駄だよ“私は関係ない”なんて通用する相手じゃないんだよ」
「え?」
正宗の的確な返しにハテナ顔を浮かべた私に「だからさっきから声出てんぞ」と、バカにしたような表情の司。
なんでかいちいち、カンに障る奴。
「戦いの火蓋は切って落とされたんだよ。もう元には戻んねぇ」
これ、カッコよくね?なんて言いながら煙草をふかすタクだけど、別にカッコよくは、ない。
「まぁ幸いにも学校一緒みたいだし、クラスも一緒ときたらオメーもいくらかは安全だろ〜?」
ジッポをガラステーブルに乱雑に放り投げ、私の髪を一束掬った修。
やっぱ軽いな、コイツ。
その言葉は出さなかったけれど。