乱華Ⅰ【完】
「…なんか…私のせいでごめんなさい」
スッと立ち上がり深々と頭を下げる。
なんだか、よくわからないけど、これだけは言える。
私は迷惑をかけた。
「…謝って済む問題じゃ…「遅かれ早かれ、こうなってたんだよ」」
私の言葉に重ねて発せられたのは颯人の声。
「そうだ。お前なんかがいちいち気にする事じゃねぇんだよ」
タクに強引に腕を引っ張られて、再びソファーに腰を落とす。
でも…私は―…
「何ごちゃごちゃ考えてんのか知んねぇけどお前に拒否権はねぇ」
その声にハッとして、颯人を見ればあの目。
射るような鋭い視線。
その漆黒はジッと私だけを見ていて、気付けば「…うん」と唇から発せられていた。