乱華Ⅰ【完】
「…ねぇ、結局ここってどこなわけ?」
「あ?」
いや、なんで睨まれる?
疑問を口にしただけで、タクから睨まれる筋合いはない。
「そんなんも知らねーのかよ!!」
ハッと乾いた声を漏らしたのは、さっきからカンに障るドチビ司。
「…知るわけないじゃんよ。私昨日この街に来たんだし」
なんか段々、面倒になってきた。
ギャンギャン喚く司は無視して「颯人」彼を呼ぶ。
正宗がいないこの中では、一番私の欲しい答えをくれると思ったから。
颯人は瞑っていた目をうっすらと開けて「タク」一言呟き再び瞼を閉じる。
右隣では「…マジかよ」呟くタクの姿が視界の端に写っていた。